もし、被相続人が遺言等を残していなかった場合、民法の方法(第5編相続 第2章相続人)に従って一定の近親者が相続財産を相続することができます。この相続できる近親者を法定相続人といいます。
法定相続人になる者は以下の通りです。
①配偶者
被相続人の配偶者は常に相続人になります(890条)。他に相続人(血族)がいたとしても必ず相続できます。
この配偶者とは、法律婚をしているものを指します。
内縁関係に有るものについて、判例は、内縁事実の立証の困難さ、法定相続体系を基礎とする配偶者尊属制度の尊重などを理由として、890条の規定の適用を否定しています。
②子
子がいる場合も、常に相続人になります。(民法887条1項)
子は、実子・養子を問わず相続人となります。また、嫡出子・非嫡出子のいずれかに関係なく相続人となります。
③子がいない場合:直系尊属
被相続人の子がいない場合は、直系尊属が相続人となります(民法889条1項1号)
直系尊属とは、父母、祖父母等です。父方・母方を問わず相続人となります。
また、父母と祖父母のように、直系尊属が複数いる場合は、被相続人と親族が近い直系尊属のみ(父母と祖父母がいる場合は、父母の二人)が相続人となります。
④子も直系尊属もいない場合:兄弟姉妹
被相続人に子も直系尊属もいない場合、兄弟姉妹が相続人となります。(民法889条1項2号)
被相続人が養子縁組をしている場合、養親の実子、養子とともに兄弟姉妹として相続人となります。(特別養子縁組の場合、実方の兄弟姉妹を除く)
また、父母両方を同じくする兄弟姉妹であっても、父母のいずれか一方を同じくする兄弟姉妹であっても、相続人となります。
以上のように、被相続人の家族に誰がいるかによって、相続人となる人が変わってきます。
中日綜合法律事務所は、愛知県・岐阜県・三重県を中心に、皆さまの相続・遺言業務をサポートしております。
歴史と実績のある法律事務所として、皆さまに最善の解決策をご提供いたしますので、お気軽にご相談ください。
法定相続人
中日綜合法律事務所(弁護士 熊谷 考人)が提供する基礎知識
-
就業規則の作成・変更
会社の就業規則を変更したり、新たに作成したりする場合、どのような規律によるのでしょうか。特に、一部の社...
-
内部統制とは? 会社法...
会社経営においては少なくとも法令遵守を意識しなければなりません。その上で、利害関係者も多くなる上場株...
-
消費者対策・クレーム対応
特定商法取引法や消費者保護法、消費者契約法など、消費者の権利を保護するために多くの法律が制定されていま...
-
寄与分とは
相続には寄与分というのものが認められています。 寄与分とは、相続人が被相続人の介護をしていた、被相続人...
-
配偶者の居住権~相続法...
今回の相続税改正におけるもう一つの重要なポイントは、2020年4月1日より新設される「配偶者居住権」で...
-
顧問弁護士の探し方
長期的に、会社の法律業務を頼んだり、相談に乗って欲しい場合には、顧問弁護士契約を結ぶと良いでしょう。一...
-
遺言書
遺言とは、自己の死後に一定の効果が発生することを意図して、死後の財産の処分や分け方などに関する意思をい...
-
遺言
■遺言の種類 遺言とは、自身の死後に備えて、相続の方法などの事柄をあらかじめ決定し、遺言書の作成により...
-
中小企業にも義務化され...
パワハラ防止法が中小企業にも適用されるようになり、対応が義務化されるようになりました。 そもそもパワハ...