050-3138-4847
受付時間
平日 9:00~17:30
定休日
土曜、日曜、祝日

相続放棄をしても遺族年金や未支給年金は受け取れる?

  1. 中日綜合法律事務所(弁護士 熊谷 考人) >
  2. 相続・遺言に関する記事一覧 >
  3. 相続放棄をしても遺族年金や未支給年金は受け取れる?

相続放棄をしても遺族年金や未支給年金は受け取れる?

相続が発生したときに、面倒に巻き込まれたくないなどの理由で相続放棄をした場合、全くお金が入ってこないとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、相続放棄をしてもお金が一切手に入らないというわけではありません。
申請を行えば手に入るものもあります。
今回は、相続放棄をしても遺族年金や未支給年金は受け取れるのかについて解説します。

■遺族年金は受け取れるのか
遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の二つがあります。
遺族基礎年金とは、国民年金に加入している方が亡くなった際に、生計を同じくしていた18歳までの子がいる配偶者または子が受け取れる年金です。
遺族厚生年金とは、厚生年金に加入している方が亡くなった際に、生計を同じくしていた遺族が受け取れる年金です。
遺族厚生年金を受け取れる人は、まず配偶者または子、次に父母、それ以降は孫→祖父母の順です。

これらの遺族年金は相続放棄をしても受け取れます。
遺族年金は遺族が固有の権利によって受け取るもので、相続財産に含まれないからです。

■未支給年金は受け取れるのか
未支給年金とは、亡くなった方がその時点でまだ受け取っていなかった分の年金です。
年金は、偶数月の15日に前の2ヶ月分が振り込まれます。そのため、例えば7月に亡くなった方にも8月に6月と7月分が振り込まれます。この亡くなった後に振り込まれた年金が未支給年金です。
未支給年金を受け取れるのは、亡くなった人と生計を同じくしていた人のみで、受け取り順位は以下の通りです。

配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹→それ以外の3親等以内の親族

この未支給年金も遺族年金と同様に、相続放棄をしても受け取れます。
未支給年金も遺族が固有の権利によって受け取るもので、相続財産に含まれないからです。

年金受給者が亡くなった際には、死亡届を提出して年金の支給を停止させるのですが、そのとき一緒に未支給年金の申請を行うのが一般的です。

必要な書類は事例によって多少異なりますが、代表的なものは以下の通りです。

・死亡届
・亡くなった方の年金証書
・未支給年金請求書
・戸籍謄本
・住民票

戸籍謄本は亡くなった方との続柄を証明するため、住民票は生計を同じくしていたことを証明するためのものです。
世帯や住所が異なるが、生計を同じくしていた場合には、住民票以外の生計を同じくしていたことを証明できる別のものが必要です。

■まとめ
今回は、相続放棄をしても遺族年金や未支給年金は受け取れるのかについて解説しました。遺族年金と未支給年金は両方とも相続放棄しても受け取れるもので、判例もそれを認めています。自分が、受け取れる要件に当てはまっているかなど、何かお悩みの際は専門家に相談することをおすすめします。
また、遺族年金と未支給年金以外にも相続放棄しても受け取れるものはあるので、この二つ以外にも受け取れるかどうか気になるものがある方もお気軽にご相談ください。

中日綜合法律事務所は、愛知県・岐阜県・三重県を中心に、皆さまの相続・遺言業務をサポートしております。
歴史と実績のある法律事務所として、皆さまに最善の解決策をご提供いたしますので、お気軽にご相談ください。

中日綜合法律事務所(弁護士 熊谷 考人)が提供する基礎知識

  • 相続財産の調査方法| 不動産や預貯金、借金を調べるポイントや費用について解説

    相続財産の調査方法| ...

    身内の方が亡くなって相続人となった場合、相続財産の調査に取り掛かりましょう。遺産分割の準備として必要...

  • 企業法務(顧問)について

    企業法務(顧問)について

    私たちが生活をする資本主義社会では、個人や企業が様々な財産やサービスについて取引を行います。 そして、...

  • 企業法務を弁護士に依頼するメリット

    企業法務を弁護士に依頼...

    会社法や労働法、消費者保護法など、企業活動の上で遵守しなければならない法律は数々存在します。 更に、企...

  • 財産管理を弁護士に依頼するメリット

    財産管理を弁護士に依頼...

    ■財産管理とは 財産管理とは、本人に代わって、その代理人が本人の財産の管理に関する法律行為の一部を行う...

  • 名古屋市で顧問弁護士をお探しのかたへ

    名古屋市で顧問弁護士を...

    「コンプライアンスの強化のために顧問弁護士と契約してサポートを得たいが、費用の相場が分からないため決断...

  • 公正証書遺言の作成の流れ|費用や必要書類も併せて解説

    公正証書遺言の作成の流...

    実効性のある遺言を作成するためには、公正証書遺言の作成が効果的です。公正証書遺言とは、公証役場に行き、...

  • 起業、スタートアップ時に受け取れる助成金・補助金

    起業、スタートアップ時...

    起業やスタートアップ時に積極的に利用したいのが「助成金」と「補助金」です。 両者は、支給目的や管轄、...

  • 任意後見契約

    任意後見契約

    ■任意後見とは 任意後見制度とは、将来自分の判断能力が不十分になったときに備えて、任意後見人を契約によ...

  • 事業承継

    事業承継

    ■事業承継の方法 事業承継とは、読んで字のごとく、会社の経営を後継者へと承継することをいいます。ここで...

よく検索されるキーワード

ページトップへ