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起業するときに用意する契約書とは|作成すべきシーンや契約内容について

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起業するときに用意する契約書とは|作成すべきシーンや契約内容について

起業する際、さまざまな契約を締結します。一緒に働くメンバー、株主、取引先など、関係者が増えるほど作成する契約書も増えますが、当然、企業によって必要な契約は異なります。

特に重要で用意しておきたい契約書を当記事で紹介し、各契約の内容や当該契約が必要になるシーンについて解説していきます。

取締役委任契約書

役員と従業員は契約関係から立場が異なります。従業員一般は雇用契約によって会社と結び付きますが、役員は雇用ではなく委任契約によって会社と結び付くためです。

そこで起業にあたって取締役を選任するときは、会社と取締役の間で「取締役委任契約」を締結する必要があり、その際取締役委任契約書を作成することになります。

職務内容や任期、報酬、秘密保持、競業禁止などに関するルールを設け、それらを契約書内にまとめていきます。この契約書を作成しておくことで双方の権利義務を明確化することができ、役員と会社の間で起こり得るトラブルも防ぎやすくなります。

また、第三者に対して取締役としての地位を明示しやすくなります。

株主間契約書

株式会社の立ち上げにあたり、株主と経営者(取締役)が一致することも多いですが、その一方で経営者を兼ねない株主が参画するケースもあります。

この場合、株主の勝手な行為によって会社が損失を被るリスクを回避するため、会社-株主間で「株主間契約」を締結します。特にこの契約が必要とされるシチュエーションとして、「複数の企業が一緒に出資を行い、株式会社を立ち上げるとき」が挙げられ、株式の譲渡・売却に関する事項などを中心に契約内容が組まれます。

株主間の協力関係が重視される場合は、この契約を締結し、証拠を残すため株主間契約書も作成します。

投資契約書

株主間契約とも似ていますが、起業にあたってエンジェル投資家やVC(ベンチャーキャピタル)などから出資を受けるとき、経営者と投資家の間で「投資契約」を締結することもあります。

こちらは、株式の内容や株式数、株価、払い込みの条件、株式買取請求権のことなどを中心に契約内容が組まれます。また、会社による表明保証(会社に関する一定事項が、真実・正確であることを保証する旨の条項)なども契約書には記載されます。

秘密保持契約書

特に秘匿すべき情報を取り扱う場合は「秘密保持契約書」も作成しておきましょう。秘密保持義務を課すべき相手方は時と場合によって異なりますが、役員に限らず従業員とも交わすケースがあります。

秘密保持を維持すべき期間は在籍中に限られないため、解任後や退職後においても継続して秘密保持の義務を課すよう契約内容を考えるべきです。実際、辞めた後で情報漏洩が発生する事態は発生しておりますので、役員でも従業員でも、重要な情報を取り扱うのであれば秘密保持契約を交わしておきましょう。

雇用契約書

取締役とは取締役委任契約を締結しますが、役員にあたらない従業員とは「雇用契約」を締結することになります。その際、雇用契約書を作成します。従業員との間で揉めることも珍しくありませんし、その際、労働条件等についてまとめた契約書は重要な資料として機能します。

なお、雇用にあたって雇用契約書の作成は必須とはされていませんが、労働条件通知書は必須です。そして雇用契約書の記載事項は自由ですが、労働条件通知書は作成義務自体法定されていますし、記載すべき事項も法律で定められています。

そこで労働条件通知書として記載すべき事項を盛り込んだ契約書(労働条件通知書兼雇用契約書)を作成するというやり方もあります。

金銭消費貸借契約書

起業にあたってお金を借りることもあるでしょう。お金を借りる契約は「金銭消費貸借契約」と呼ばれます。

そして同契約の効力を発生させる条件に「契約書の作成」は掲げられていません。契約書がなくてもお金の貸し借りはできるのですが、やはりお金をめぐっては揉め事も起こりやすいため、契約書を作成しておくことが望ましいです。

金融機関が相手だと当然に契約書が作成されますが、仮にお金を借りるが家族や友人、その他の個人であったとしても、契約書は必ず作成しておきましょう。

その他の契約書について

ここまでで紹介した契約書のほかにも、起業に伴いさまざまな契約書を作成することがあります。下記の契約を交わすことも考えられますが、その場合は契約書を作るようにしてください。

賃貸借契約 ・貸主が借主に建物等を賃貸するときに交わす契約のこと。
・オフィスを借りる場合などに締結する。
・契約書には賃料や敷金、解約条件、修繕義務などを明記する。
業務提携契約書 ・複数の企業が共同で事業を行う場合に交わす契約のこと。
・契約書には共同事業の内容や利益配分、知的財産権の取り扱いに関するルールなどを明記する。
請負契約書 ・建設工事など、請負者が一定の成果を生み出すことを約束するときに交わす契約のこと。
・契約書には請負内容や報酬、納期、瑕疵担保責任などを明記する。
業務委託契約書 ・システム開発などその他さまざま業務を依頼するとき、広く取り交わす契約。
・従業員を雇用して社内で業務を回すか、業務委託により外注するか、コストのバランスなどを考慮しつつ締結を検討する。
・契約書には業務内容や報酬、納期、守秘義務などを明記する。
取引基本契約書 ・仕入を行う場合など、長期的な取引関係を前提としている場合に交わす契約。
・契約書には、各取引で都度変更することが想定されていない事項、例えば支払い条件や対価の計算方法、品質基準、紛争解決方法、契約解除条件などが明記される。

契約を締結するための交渉、契約書の作成について不安がある場合は弁護士を頼るのも有効です。法律への抵触を心配する必要がなくなり、また、起業者の方が負う作業負担を軽減することもできます。そこでまずは起業手続の支援に対応している弁護士探しから始めてみると良いでしょう。

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