「契約書を作成する時はリーガルチェックを受けた方がいい」という話を聞いたことがある方は多いと思います。
「リーガルチェック」とは、弁護士などの法律専門家が契約書の記載事項に法的な観点から誤りがないか、リスクがないかなどを確認する作業のことをいい、特に重要な契約を締結する際はリーガルチェックが必要不可欠です。これは、リーガルチェックに次のようなメリットがあるためです。
・あいまいな表現や多義的に解釈できる文言を修正し、契約の中身を明確にすることで、トラブルを未然に防止することができる
・不適法な内容がないかなど、厳密なチェックを行うことによって、契約書の有効性が高まる
・自社にとって不利な内容の契約を結ぶリスクを下げる
・顧問弁護士など、弁護士との関係性を作るきっかけとなる、紛争が生じた場合の相談もできる
しかし、リーガルチェックにも次のようなデメリットがあります。
・それなりの弁護士費用が掛かる(事務所や依頼内容によって異なるが、1件2万円~10万円ほど)
・契約を締結するまでの時間が掛かる
このため、契約書の一つ一つを弁護士に見せて確認作業を行わせるのはあまり得策とはいえません。どのようなポイントに気をつけるべきかなどのアドバイスを受けるだけで十分な場合もあれば、はじめから弁護士に契約書の作成を依頼した方がよい場合もあります。これは締結する契約の内容や形式などによるといえるでしょう。
ただし、M&A(合併、株式交換・移転、株式譲渡、事業譲渡、資本・業務提携など)のような規模の大きい契約を締結する場合や、海外企業との契約を締結する場合などでは、リーガルチェックを受けることが非常に重要です。これらの契約を締結する際は、弁護士等の法律専門家によるリーガルチェックを積極的に受けるようにしましょう。
中日綜合法律事務所では企業法務に関するご相談を承っております。お困りの際はお気軽にご相談ください。
リーガルチェックのメリット・デメリット
中日綜合法律事務所(弁護士 熊谷 考人)が提供する基礎知識
-
契約書のリーガルチェッ...
契約書は安全かつ円滑な企業活動のために重要な文書であり、その内容の妥当性を評価することはリスク管理の...
-
相続財産の調査方法| ...
身内の方が亡くなって相続人となった場合、相続財産の調査に取り掛かりましょう。遺産分割の準備として必要...
-
消費者対策・クレーム対応
特定商法取引法や消費者保護法、消費者契約法など、消費者の権利を保護するために多くの法律が制定されていま...
-
社外監査役の役割とは|...
企業統治の質を高めるうえで重要の役割を担っているのが「社外監査役」です。任意に置くこともできますし、...
-
任意後見契約
■任意後見とは 任意後見制度とは、将来自分の判断能力が不十分になったときに備えて、任意後見人を契約によ...
-
労働審判における答弁書...
労働審判は、簡易な手続きで行えることに加えて、紛争の解決までが早いことが特徴です。その一方で、会社側と...
-
企業法務(顧問)について
私たちが生活をする資本主義社会では、個人や企業が様々な財産やサービスについて取引を行います。 そして、...
-
遺産分割
相続人が複数がいる共同相続では、被相続人の死亡によって相続開始するとともに相続財産は共同相続人の共有に...
-
相続放棄をしても遺族年...
相続が発生したときに、面倒に巻き込まれたくないなどの理由で相続放棄をした場合、全くお金が入ってこないと...