相続放棄とは、相続人の相続による権利義務の承認を生じさせない旨の意思表示をいいます。
民法は、相続は死亡によって開始する(民法882条)と定められています。つまり、被相続人は相続人が死亡することによってのみ相続が開始するため、相続人の「相続したい」「相続したくない」といった意思に関わらず、原則的に相続することになります。
しかし、相続される財産の中には、不動産や預金口座といったプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれています。(民法896条本文)
とすれば、もし被相続人が多額の借金を負っていた場合、相続人は本人の責任なくその借金を肩代わりすることになってしまいます。
このような不利益を防ぐため、相続人は、相続をしないという選択をすることができます。これが相続放棄なのです。
相続放棄をするためには、3ヶ月(民法915:条熟慮期間)内に相続の放棄をしなければなりません。(938条・家事事件手続法201条)
相続放棄をするためには、相続放棄する旨を家庭裁判所に申述する必要があります。
また、相続財産を処分したり、隠匿する等した場合には、相続放棄をすることができないので、注意が必要です。(民法921条)
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相続放棄
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