遺言は、亡くなった被相続人の意思が表現されたもので、遺産の配分を決定するうえで非常に大切な基準となるものです。その遺言の内容に納得ができないという場合、遺言が無効であることを主張する必要があります。
では、どのようにして遺言書が無効であることを主張するべきでしょうか。ここでは、自筆証書遺言の場合と公正証書遺言の場合に分けて説明致します。
まず、自筆証書遺言の場合。遺言が無効であるかを確認する際には、方式面、内容面の両面からチェックする必要があります。方式面では、財産目録以外を全て自筆で書いてあるか、作成日が自筆となっているか、署名・押印があるか、訂正の方式が適式に行われているか、という面から判断します。内容面では、遺言作成時に遺言能力があったか、遺言の内容が理解可能なものとなっているか、遺言の内容が公序良俗に反するものでないか、誰かに強要されて書いたものではないか、という点を確認する必要があります。
公正証書遺言の場合は、方式面では、立ち会ったのが証人欠格者ではないか、証人が2人以上であるか、遺言者・証人の署名捺印が存在するか、公証人の署名があるか、といった点を確認する必要があります。内容面では、遺言書を作成したときに遺言能力があったか、遺言の内容が理解可能なものであるか、遺言の内容が公序良俗に反するものではないか、誰かから強要して作成されたものではないか、という点について検討する必要があります。
遺言書の作成には、自筆証書遺言の場合も、公正証書遺言の場合にも様々なルールがありますので、これらのルールに則って作成されているかどうかという点が大切です。
遺言が無効であることが分かった場合、その遺言に従って遺産分割する必要はありませんので、相続人らによる遺産分割協議を行うことになります。遺言の一部は有効であるが一部は無効であるというような場合には、当事者のみで解決することはできませんので、調停や訴訟という法的手段による解決をすることになります。
もっとも、遺言書のルールをすべて理解し、自身で遺言が無効であることを主張するのは非常に大きな負担といえます。そこで、遺言に納得がいかず、無効であることを主張したい場合には、法律の専門家である弁護士にご相談ください。
中日綜合法律事務所は、愛知県名古屋市を中心に、過払金、任意整理、自己破産、民事再生について多数の解決実績がございますので、是非、一度、無料相談にお越し下さい。
納得できない遺言を無効にするには
中日綜合法律事務所(弁護士 熊谷 考人)が提供する基礎知識
-
相続の対象になるもの・...
亡くなった方が持っていた財産の多くは相続の対象となります。しかし契約に基づく権利など相続人が取得でき...
-
リーガルチェックのメリ...
「契約書を作成する時はリーガルチェックを受けた方がいい」という話を聞いたことがある方は多いと思います。...
-
中小企業にも義務化され...
パワハラ防止法が中小企業にも適用されるようになり、対応が義務化されるようになりました。 そもそもパワハ...
-
家族信託
家族信託とは、自分の老後に備えて、保有する不動産や預貯金などの財産の管理を、信頼できる家族に委ねる制度...
-
未成年でも遺産相続できるのか
親が亡くなった場合、子は法定相続人となります。そのため、未成年であっても、遺産を相続することは可能です...
-
任意後見契約
■任意後見とは 任意後見制度とは、将来自分の判断能力が不十分になったときに備えて、任意後見人を契約によ...
-
相続放棄
相続放棄とは、相続人の相続による権利義務の承認を生じさせない旨の意思表示をいいます。 民法は、相続は...
-
遺留分減殺請求
遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)とは、「遺留分」を侵害されている相続人(兄弟姉妹を除く)が、「遺留分...
-
企業法務を弁護士に依頼...
会社法や労働法、消費者保護法など、企業活動の上で遵守しなければならない法律は数々存在します。 更に、企...