■死後事務委任契約とは
死後事務委任契約は、自分の死後に発生する葬儀・埋葬などの事務の内容を、特定の人に代理してもらえるよう委任しておく契約のことを指します。民法の委任契約に基づいて締結すればよく、それ以上の特別な手続きは必要ありません。以下にその条文を引用します。
第643条
委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
つまり、委任したい相手に自分の希望を伝え、相手がこれを承認すれば契約が成立するのです。当事者の一方が死亡した場合、通常は委任契約が解除されますが、死亡しても委任契約が継続する旨の特約があれば契約を解除させないことができます。
■死後事務委任契約の内容
上記の通り、塩事務委任契約は、当事者間の意思による自由な契約です。つまり、「この内容を委任してはいけない」などの規定は特にありません。以下に紹介するのは一般に委任の内容となることが多い項目です。
・ 医療費の支払い
・家賃・地代・管理費等の支払いや、敷金・保証金等の支払い
・ 老人ホーム等の施設利用料の支払いと入居一時金等の受領など
・通夜、告別式、火葬、納骨、埋葬
・菩提寺の選定や、墓石の建立
・永代供養
・相続財産管理人の選任申立手続
・賃借建物明渡し
・行政官庁等への諸届け
上記以外の内容も、状況に応じて委任しておくとよいでしょう。
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死後事務委任契約
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