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相続人が受け取れる財産の割合はどう決まる?法定相続分の仕組みを解説

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相続人が受け取れる財産の割合はどう決まる?法定相続分の仕組みを解説

相続について、「私はどのくらいの財産を相続できるのだろう?」と疑問を抱いている方に向けて、法律上のルールと実際の手続きをここで解説します。各相続人に分配される遺産の割合はどの程度か、実際に得られる財産はどうやって決まるのか、相続手続きの参考にしていただければと思います。

法定相続分の決まり方

故人(被相続人)の財産をどのように分けるのか、その指標となるのが民法に定められた「法定相続分」です。

そして法定相続分とは、法律に従い、相続人の関係性に応じて定まる遺産の取得割合のことです。

相続開始時点で自動的にこの割合は決まりますが、あくまでも「基準となる割合」であって、相続人全員が合意すればこの割合と異なる形で分けてもかまいません。また、遺言書がある場合は遺言内容が優先されることも重要なポイントです。

また、割合については「相続人の関係性」に応じて定まり、基本的には故人から見て近い血縁関係にあるほど大きな法定相続分を持つこととなります。

配偶者がもっとも大きな割合を得られる

故人の夫または妻であれば、相続人になれます。
※婚姻届を出していない内縁関係の配偶者だと相続人になれない。

配偶者は故人と生活をともにして財産形成に貢献してきたことを理由に、ほかにどのような相続人がいても常に相続する権利を得ることができるのです。

そこで取得割合についてももっとも優遇されており、少なくとも遺産全体の50%(2分の1)、多いと75%(4分の3)を1人で取得します。

相続人の「順位」によって相続割合は異なる

配偶者以外の方は、次の順位に従い相続する権利を得、その順位が高い者ほど割合大きな遺産を得る権利も持ちます。

  • 第1順位・・・子
    (実子も養子も同等。すでに子が亡くなっているときは孫が代襲相続することもある)
  • 第2順位・・・親
    (父も母もすでに亡くなっているときは祖父母が第2順位相続人となる)
  • 第3順位・・・兄弟姉妹
    (すでに亡くなっているときはその子どもにあたる甥や姪が代襲相続することもある)

この関係性が法定されていることから、親から子へと遺産が承継されていく流れが基本形となります。もし子がいないのであれば親や祖父母が、さらに親等もいないのであれば故人の兄弟姉妹へと順番が回ってきます。

各々の相続割合は、同順位の者同士であれば均等に分割した割合となりますが、配偶者との共同相続のケースでは「遺産から配偶者の相続分を除き、残った分を均等に分割した割合」となります。
そのため配偶者が50%の法定相続分を持つなら、ほかの相続人は残りの50%を人数分で均等に分け合うこととなります。

ケース1:配偶者との共同相続における相続割合

配偶者がいないケースでは相続人の頭数で割った値が法定相続分となるためシンプルです。一方で配偶者との共同相続では、組み合わせ次第で割合が変わってくるためルールをよく理解していないと正しい法定相続分を把握できません。

たとえば妻と長男・次男がいる場合、妻が1/2、そして子ども1人につき1/4ずつが法定相続分となります。もし遺産の総額が3,000万円なら、妻が1,500万円、子ども1人につき750万円ずつ取得することになります。

子どもがおらず故人の両親が健在の場合なら、妻が2/3、両親が1/3の法定相続分です。遺産が3,000万円なら、妻が2,000万円、父と母はそれぞれ500万円ずつ取得することになります。

子どもも親もおらず兄弟姉妹が3人いるのなら、妻が3/4、兄弟姉妹全員で1/4を分けることになります。そのため遺産が3,000万円だとすれば妻が2,250万円、兄弟姉妹がそれぞれ250万円ずつ取得することになります。

ケース2:代襲相続があるときの相続割合

代襲相続が発生するときは法定相続分の計算に注意が必要です。同順位の者同士でも全員で均等に分けるのではなく、被代襲者の取得分を代襲相続人で分け合います。

たとえば故人に妻と長男・次男がいるもののすでに長男は亡くなっており、かつ、長男には2人の子どもがいるとします。このとき長男を被代襲者として、さらにその子ども2人が代襲相続人となります。
取得分に関しては、妻が1/2、次男が1/4を持つことに変化はありません。しかし代襲相続人の2人は、長男が得るはずであった1/4を均等に分け合うことになるのです。

ケース3:遺言書がある場合の相続割合

遺言書がある場合、原則として遺言の内容が法定相続分より優先されます。そのため故人が自分の意思で相続割合を決めていた場合はその意思を尊重しなくてはなりません。

一方で、相続割合を定めず一定の範囲内で特定の人物(相続人を対象とすることもあれば、知人などの第三者を対象とすることもある)へ財産を譲与(遺贈)する記載がされていることもあります。
その場合は、遺贈された財産以外を対象に、法定相続分で分割します。

取得する財産の決め方

法定相続分は重要な基準として機能しますが、そのルールだけで相続問題すべてを自動的に解決できるわけではありません。

残された財産のすべてが現金であれば法定相続分ぴったりに分割することも容易ですが、実際の相続では現金以外にも預貯金や不動産、株式、自動車、貴金属、債権債務などさまざまな種類の財産が含まれるためまずは各財産の評価額を調べなくてはなりません。

そして評価額がはっきりしたとしても、現金のように1円単位で分けられるものばかりではありませんので、取得分に偏りが生じることもあるでしょう。

そこで誰が何をどれだけ取得するのか、さまざまな要因をよく考慮した上で話し合って決めていく必要があります。そのために欠かせない手続きが遺産分割協議です。
相続開始後は遺産を調査し、評価額を調べ、そこから全員が納得のいく分割方法を検討していかなくてはなりません。

なお、遺産分割の手続きにおいては以下のポイントにも留意してください。

   
遺産分割におけるポイント
先に遺言書を探す 適式に作成された遺言書があるのなら、まずはその内容を優先しないといけない。そのため協議に先立って遺言書の調査が必要。
故人の自宅のほか、法務局や公証役場に保管されていることもある。
※法務局を調べるときは「遺言書保管事実証明書」の交付の請求を行う(https://houmukyoku.moj.go.jp/osaka/syoumeisyowoseikyuusimasyou.html)。
※公証役場を調べるときは、全国の公証役場から遺言情報管理システムを使い、検索する。
遺産分割協議には相続人全員の合意が必要 話し合って取得方法を決めるには、全員の合意が欠かせない。反対意見の人がいるまま、特定の者の意見を強行して決定させることはできない。
分割方法には種類がある 分割方法を工夫することも検討すると良い。たとえば「代償分割」や「換価分割」などの方法もある。
代償分割では、1人が特定の財産を取得する代わりに、ほかの方へ金銭を支払うことで利益のバランスを調整する。
換価分割では、特定の財産を売却し、売却益を分け合う。
共有するときは注意 不動産などは、相続開始後そのまま放置していると相続人間の共有状態となる。代償分割や換価分割のように初めに手間をかける必要はないが、その後の管理運用が大変になるため注意が必要。共有者の同意がないと売却なども進められなくなる。
裁判所の手続きもある 当事者だけで話し合って解決するのが難しいときは、裁判所の「調停」も利用すると良い。調停で解決できないときは「審判」に頼ることもできる。

弁護士を頼ることもできますので、困ったときはお気軽にご相談ください。

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